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2009-02-18

蜜の味

 先日英国映画「蜜の味」を見ました

        6a00d83451cbb069e2010535343686970b-800wi.jpg
    (この写真はwww.cinedelica.com/2008/10/dvd-review-a-ta.htmlより)

 1950年代半ばから 芸術、文学そして映画の分野に渡ってイギリスで始まった潮流 ”怒れる若者”世代の旗手 俊英トニー リチャードソンのデビュー作にして代表作の1つ 所謂 ”kitchen sink drama”です ”kitchen sink drama”とは 主に労働者階級の普通の人々の生活を ごくありのまま描いたドラマのこと 登場人物もリアリティーに溢れ それまでの上流階級中心のストーリーや夢を語る映画とは360度の転換ですが 労働者階級の人々をもっと積極的に取り上げ そこに芸術的な表現を加えた という点で大きく評価されています

 ストーリーは自堕落な母をもち 家賃の滞納で夜逃げを繰り返さなくてはならない女子高生が 黒人水兵と恋に落ち 妊娠 いつ帰るとも知れない恋人を待つ間 母はボーイフレンドと暮らすため 彼女を置き去りにして 出て行ってしまう その後 折角出会った心優しい(そして 家事も得意な!)ゲイの学生と楽しい共同生活を始めたのもつかの間 恋人に捨てられた母が舞い戻ってきたため ゲイの青年は 彼女の幸福を祈りながら 静かに去っていってしまう。。。 まさに題名通り 甘い蜜の味(楽しい 幸せな時)は長くは続かない。。。という 悲しいお話です     

 特にラストシーン ゲイの青年がガイ フォークス デイ(11月に行われる イギリスの冬の訪れを告げるお祭り 17世紀 時の国王暗殺計画に失敗した ガイ フォークスの名にちなみます)の焚き火の影から 主人公をそっと見守った後 足早に立ち去り 一人残された主人公がじっと花火を見つめる姿には 少女には重すぎる 何ともいえない過酷な ”現実”を思わされますが 演じるリタ トゥシンハムの大きな そして強い生命力を感じさせる瞳に 一筋の希望の光を見出した気もします 映画は主人公に大きく感情移入もせず かといって突き放すわけでもなく 非常に観察力 洞察力に優れ 人物をそして状況を至極冷静に描いている点が 私には逆に 大変心地良かったです

 この映画では 当時としては非常にショッキングであったであろう 黒人青年と白人女性の恋愛と妊娠(映画の終盤近くで主人公が「生まれてくる子は黒人かもしれないのよ」というと さすがの母親も言葉を失う。。。という場面がありました)そしてゲイの青年の登場と こういう社会的タブーを破っている点にも 監督の そしてオリジナルの戯曲及びこの映画脚本も担当した シーラ デラニーの若い才気を感じます

 ロケは恐らく マンチェスターとその近郊と思われ 主人公が度々訪れる場所は マンチェスターとリバプールを結ぶ運河です
 
         6a00d83451cbb069e2010535343916970b-800wi.jpg
       (この写真はhttp://okapi.at.webry.info/200806/article_4.html より)

 余談ですが 私はリタ トゥシンハムが後に出演した「Nack」も大好きで こちらはリチャード レスターのスタイリッシュなコメディですが この映画もカンヌ映画祭にてグランプリ受賞 「蜜の味」もカンヌで賞を取っていますから 彼女はこの時代の イギリスが誇る”ブランプリ女優”であった とも言えるでしょう

 
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comment

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おもしろそう。

へ~、1961年の作品なのですね。この時代のイギリス映画はほとんど観ていないです。イギリスの労働者階級にスポットを当てている点や、白人と黒人の恋愛を描いている点が画期的ですね。

No title

June様>はい 面白いですよ これもDVDありますので よかったらお貸ししますよ 何だかこの所イギリス映画の話ばかりですが 私は日本映画も(最近のはあまり見てませんが) そのほかの国の映画も何でも観ます
先日 「ベンジャミン バトン」を見ました 後は「スラムドック ミリオネラ」が見たいです! 

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No title

June様>返事をメールさせていただきました また届いているかチェックしてみてね 有難う

初めてエントリーします

突然お邪魔します。
とても懐かしい名前を聞き、道で昔の旧友にバッタリ再会した思いです。長距離ランナーの孤独、トム・ジョーンズの華麗な冒険などと又観たくなりました。

No title

You様>初めまして!わざわざお越し下さり コメントまでどうも有り難うございます You様もこの時代のイギリス映画お好きですか?イギリス映画って今でもそうですが ハリウッド映画に比べて比較的地味なのは否めませんが その代わり 登場人物をより深く見つめる洞察力がある気がします 私も映画好きでジャンル 国籍に拘らず 何でも見ます また遊びに来て下さい 是非映画の話で盛り上がりましょう!
 

今晩は。kazue様

過日、縁があって久々に英国映画「THIS IS ENGLAND」を観ました。
恐らく今月ロードショーになると思います。
10年に一度あるかないかのイギリス青春映画(未公開だと余り詳細はここでは言ってはいけないのかも?)みたいですが、まっ、必見と言っておきますね。
曖昧な記憶では、私が最初に観たイギリス映画は「文無し横丁の人々」だったかな?。ダイアナ・ドースと言うやけにゴツい名前は今も忘れません。(申し訳ないです。入れる所がなかったので)

No title

You様>今日は 「This is England」の情報有難うございます!とても良かったみたいですね この映画 私は英国滞在中見逃していたのですが 今度日本で公開されるならぜひ見てみたいです!この映画の監督は英国中部の Uttoxeter出身だそうで  この映画は彼の自叙伝的な話と聞いていますが  私が英国で最後に住んでいたのはUttoxeterからそう遠くないところでした(州は違っていましたが)ですので どんな所でロケをしたのか それも興味深いです
 「文無し横丁の人々」ですかー キャロル リードですね 私の父がこの映画大好きで 子供の頃「とても良かったんだよー」とよく聞かされていたのですが 私は今だ鑑賞する機会に恵まれていません こちらも必見ですよね?  

こんにちは。雨は苦手なんで出掛けない事にしました(笑)。

「THIS IS ENGLAND」は3月14日から「シアターN渋谷」でDLP上映になります。参考までに。もうひとつ「文なし横丁の人々」のソフトは一切日本にはないようです。日本はDVD化の遅い先進国でがっくりします。恐らく今後もないでしょう。スペインならあるかもしれませんが。(大した問題ではありませんがコメントした時間が毎回違っていますが、時差ですか?)


No title

You様>何度も足をお運び下さり 「This is England」の上映スケジュールも教えてくださり 有難うございます 
 「文無し。。。」のDVDは 日本では販売されていないのですか 残念です ヨーロッパで見つけるしかありませんねえ それと日本で販売されているDVDは結構日本国内仕様のみに製作されていることが多いようですが あれも勿体無いなあって思います 
 コメント時間 違ってますか?すみません 仰るとおりまだ時差ぼけが治っていないようです(笑) 

再三再四申し訳ございません

「日本仕様」とは、うまい表現ですね。ジョン・ウェインの「アラモ」のDVDはビデオ・テープにはある2、3のシーンがカットされています。つまりオリジナル劇場版より短いのです。それでいて特典映像が40分もついています。本末転倒とはまさにこのことですね。「ニュー・シネマ・パラダイス」もDVDではカットされています。私の知り合いの個人でやっているレンタル・ビデオ店にはテープもDVDも両方あります。先日遊びに行ったらちょうど女子大生が母親に頼まれニュー・シネマ~を借りに来ていました。「母にビデオ・テープの方を借りてくるように言われました」と彼女。帰ったあとに店主が「あの子のお母さん、分かってる」と私に。特典映像はともかく、作品によってはNGシーン特集がついていたりで、文化レベルの低さを痛感します。それによって本編がカットされていたらとんでもない話です。○○エディションとかナニナニ版とか実に手を変え品を変えで訳のわからない現状に困惑しております。では、長文失礼いたしました。


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Kazue イギリス人の夫と6年余りの英国、スペイン生活を経て 2008年夏 日本へ帰国

Author:Kazue イギリス人の夫と6年余りの英国、スペイン生活を経て 2008年夏 日本へ帰国
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