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2009-09-08

「お茶と同情」

 1956年製作の米映画「お茶と同情」を見ました 元はこれ ブロードウェイでも上演された舞台劇で 主演のデボラ カーとジョン カーは共に舞台でも同じ役を演じています 監督は「巴里のアメリカ人」等ミュージカル監督としてのイメージが強いビンセント ミネリですが さすがベテラン 手堅くまとめています
             e0040938_033334.jpg
           (この写真はhttp://jazzyoba.exblog.jp/8944746/より)

 物語はニューイングランドの寄宿制男子学校 デボラ カー扮する舎監夫人は 舎監として生徒に与えるのは”お茶と同情”だけ 個々の問題に深入りすべきではないと 体育の教授である夫から常常言われています 彼らの管理する寮に住むトムは 園芸や音楽が好きで 密かに舎監夫人にも恋心を抱く繊細な学生ですが その繊細さゆえに学校では異端視されています 同級生達は”シスターボーイ”とあだ名をつけ彼を笑い者にし 教授やトムの父親までもが”欠陥”の烙印を彼に押しています 唯一トムをいつも庇ってくれた 同室のアルも親からのプレッシャー故 トムの元を去っていきます そんな状況を 今やトムのただ独りの理解者である舎監夫人はハラハラしながら見守りますが ある嵐の晩 トムが”男を証明するために”カフェの給仕女の元へ行こうとする時は 何とかしてこれを止めようと努力します しかし その甲斐も無く女の元へ行ったトムはその女からも”シスターボーイ”と呼ばれ とうとう自殺を企てます 森の中で独り寂しく横たわるトム そんな彼に夫人はキスをし 強く抱きしめるのでした。。。。
 物語は今や著名な作家となったトムの回想に始まり 最後に老いた教授から 元妻の投函されなかった手紙を渡されます その手紙はトムに宛てたもので その中で彼女はある告白をしているのですが。。。。
 主演のデボラ カーは繊細な演技で 微妙に揺れ動く夫人の心のひだを非常に巧みに演じています この人がアカデミー賞に6回もノミネートされながら 遂に受賞できなかったのはハリウッドの7不思議でしょうか?(後に名誉賞を受賞してはいますが)
 しかし 何といっても注目すべき点は 今この映画を見直すと 50年代のアメリカにおける 男性とはこうあるべきという考えにとても驚かされることです 恐らく今では全く当たり前な 音楽を聴き ギターを弾く男性 文学が好きだったり 優しくて 手先も器用で ボタン付けまで自分で出来る男性は異端視され ”男らしくない” ”ゲイなのでは?”と あっという間に決め付けられ のけ者扱いが始まり 教育者までがそのいじめに加担するくだりは まさに隔世の感があります 今なら人権侵害か差別的描写で訴えられかねないようなストーリーです
 けれでも 考えてみると いつの世でも 私たちは自分達と少し違う考え方や価値観を持つ人を仲間はずれにしがちです その 異なる価値観や文化を認めない不寛容さ、無知が人々の間に憎しみの気持ちや争いを起こしているのは 歴史が教えるとおりで そういう意味では この映画も全く過去のお話と笑って済ますことは出来ない気がします 色々なテーマを含んだ 中々考えさせられる映画でした
 余談ですが 舞台用の戯曲では トムははっきりとゲイと表現され ラスト近くの森のシーンでは 夫人は彼に自分の胸を触らせる。。。という行があるそうで 50年代では それは大層センセーショナルな内容だったことでしょう         
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comment

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No title

お~、この映画、めちゃめちゃ興味あります~。
なんといっても1956年はエルヴィスブレイクの年なので、すっごく興味があるのです。エルヴィスの生きた時代のアメリカがどんな具合だったのかが知りたいので。男性はこうあるべきというのがあったのと同様、女性も19歳とか20歳とかで結婚してしまう時代ですよね。今では考えられませんね。

デボラ・カーは「地上より永遠に」がはやり印象的です。繊細な演技のできる女優さんなのですね。アカデミー賞を一度も取れなかったのですか。あれも、タイミングなのでしょうね。

Re:

June様>この時代はエルビスの時代なのですね?! あっと言う間にもう半世紀も経ってしまいましたが アメリカもこの頃は(いや 結構今もかな?)随分保守的だったのだなあと思います 勿論映画ですから多少は誇張されているのかもしれませんが 似たような状況が無ければ こういった話は生まれないですものね 機会があったら ぜひご覧ください 中々面白いですよ
 アカデミー賞は 基本的にはアメリカ人のアメリカ映画のためのお祭りなのでしょうね だからわざわざ”外国映画賞”なる賞も設けてあるわけで アメリカ人が好むタイプの映画や その時の政治的、社会的情勢も微妙に絡んでくるので デボラ カーみたいな不運な人も出てくるのでしょう ポール ニューマンも一番油ののっている時は 無視されてましたものね  
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Kazue イギリス人の夫と6年余りの英国、スペイン生活を経て 2008年夏 日本へ帰国

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